(1) 在庫ロスとは
「在庫ロス」とは店舗や倉庫等において発生する、在庫中の商品や材料等が変質したり劣化したりすることをいいます。
(2) 在庫ロスを少なくする要点
在庫ロスを少なくする要点は次のようなことがあります。
①在庫の整理整頓
②在庫数の正確な把握
③実地棚卸の実行
④適正な仕入れの実施
⑤社員教育の徹底
(3)在庫管理の重要性
金庫の中から現金が数万円も紛失すれば大事をいう場合でも、倉庫の中で原材料が数十 万円変色しても、 顔色を変えないのはどうしてでしょうか。 在庫は現金等価物なのです。 倉庫は金庫の延長であり、在庫ロスは見えない経費の発生であることを認識することが重要です。
(4) 在庫による利益調整は要注意
①少ない利益調整のメリット
在庫の圧縮による節税は当期だけのものであり、次期にはその分だけ税金が増加します。
仮に100万円の在庫を圧縮した場合の実質的な利益は、図のようにわずか5,000円にしかなりません。在庫圧縮による実質的な利益は、驚くほど少額なのです。
②税務調査による発覚の危険性
在庫の非合法的な圧縮 (脱税)は、税務調査で発覚した場合に必ず『重加算税』が課せられます。
脱税による在庫の圧縮は税務調査で10年に1度発覚すれば、10年間の在庫圧縮による実質的な利益はすべてなくなります。
脱税は常に割の合わない手段なのです。
③在庫ロスの発生
在庫の圧縮によってわずかな実質的利益を手にしても、不良在庫が発生したのでは元も子もありません。 不良在庫による損失は、圧縮による実質的な利益よりもはるかに多額な場合が多いのです
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