(1) 借入金の限界とは
借入金の活用は企業経営にとって欠くことのできないことです。 しかしながら、健全な 借入金の活用は有意義ですが、過度の借入金依存は資金余裕をなくし、かつ、収益性の低下を招きます。借入金は活用次第で、薬にも毒にもなるものです。
(2) 借入金の長所と短所
①長所
担保力、保証能力があれば比較的容易にできる資金調達手段です。
②短所
(イ) 金利負担により収益性が低下します。
(ロ) 借入金額が多すぎると返済資金の流出により、流動性(支払余裕度)が悪化して資金繰りが苦しくなります。
(3)負債は「結果として増加する」
①資産は増加しなければならない
企業は従業員数、生産設備、投下資本が同一であっても毎年固定費が増加します。固定費が増加すれば、売上高の増加が必要になります。売上高の増加は売掛金や在庫の増加につながります。 資産は増やさなければならないのです。
②自己資本はなかなか増加しない
税金の負担はなるべく少なくしたいと思う人が一般的です。積極的に資本金を増やそうとする人も多くはありません。自己資本は増加しない傾向にあります。
③結果として負債が増加する
資産は増やさなければなりません。自己資本はなかなか増えません。結果として負債 (特に借入金) が増えてしまうのです。
(4) 知らずに行うつぶれる努力
資本の増加を伴わない資産の増加は、負債の増加につながります。これを「知らずに行うつぶれる努力」と言います。
(5) 借入金の限界
①金利負担からの限界
借入金は金利負担が伴います。この金利を負担して赤字経営になるようでは借入金の限度を超えているといえます。
②流動性(支払余裕度)からの限界
返済資金により資金繰りができないようでは、流動性からみた借入金の限界といえます。
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