(1) 照準は中小同族企業
大企業と中小同族企業の規模の格差は歴然としています。しかし、それ以上に大きな差異として次のことが挙げられます。
①借入れに代表者が連帯保証をする
大企業と異なる最も大きな違いです。
②資本の蓄積形態の差異
中小同族企業は大企業と違い一握りの同族関係者のみによって出資がされているのです。
(2) 前提は法人個人一体説
個人と法人は、全く別であると言うことは、経営学の基本的な考え方です。しかし、現実には大部分の中小同族企業は、代表者およびその家族が会社の債務に連帯保証をしており、また個人所有の不動産に抵当権を設定しているのですから、経済的な面では法人と同族関係者は一体となっていると言えます。この現実を抜きにしては中小同族企業は成り立ちません。
(3) 節税戦略を組み込んだシステム
資金を確保する要点の第一は、利益の確保にあります。しかし、利益が増加すれば、当然のこととして税金の負担は増加します。利益を確保することは当然ですが、資金余裕につながる利益でなければ意味がありません。利益を確保して徹底的に節税をする事が要点なのです。
(4) 分かりやすい会計システムの採用
資金の管理は、貸借対照表を用います。しかし、経営者が分かりやすいものでなければ使えません。少なくとも、資金管理にもっとも重要である支払余裕が正しく計算できるものでなければなりません。
(5) 経営管理の道具として使いやすい
専門的な知識のない人でも使えるものでなければ、道具としては役に立ちません。
大平式資金管理は、財務の専門的知識のない経営者が、資金余裕を持つための道具として使いやすいものです。
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