(1)総合的な資金管理とは
中小同族企業に必要な資金管理を、総合的に実施する理想的な資金管理を意味します。
(2) 総合的な資金管理の内容
①会社にとって必要な資金管理と、そのオーナー経営者および同族関係者にとって必要な資金管理を同時並行的に実施します。
②概ね1年以内の短期的な資金管理から、相続におよぶ長期的な資金管理を包括的に実施します。
(3) 総合的な資金管理の必要性
①支払資金の確保が重要
企業継続の重要な要件の1つは支払資金の確保です。企業はその原因が何であれ、最終的には資金ショートによって倒産するからです。
②会社と密接な関係を持つ経営者一族
会社の資本金を、一握りの同族関係者からの出資に頼らなければならない中小同族企業においては、会社だけの資金管理だけでは片手落ちであり、経営者およびその家族の資金管理も同時に実行する必要があります。
③相続税対策の重要性
中小同族会社では、一定金額以上の借入れをする場合に経営者の連帯保証が必要です。オーナー経営者およびその家族が相続の時に多額の相続税を支払うことは、連帯保証をする時の担保力の減少を招きます。相続税対策まで含めた資金管理が必要です。
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