
(1) 企業段階説とは
企業の規模、創業からの年数、経営者の考え方等によって、企業のあり方を段階的に区分する考え方です。
(2) 企業段階説の内容
①3つの基本的な形態

②純同族が基本(A例)
純同族とは、出資と役員の全てを同族関係者で占める会社を意味します。
③社員を加えた同族(B例)
企業規模が大きくなったり、社歴が長くなったりすると、純同族では限界があります。出資者や役員に社員を加えることが必要になります。しかし、この形態は同族会社のメリットを享受することが難しくなるという欠点を持っています。この欠点をカバーするために、分社して企業グループの一社は純同族に徹して、同族会社のメリットを享受する方法を選択します。
④非同族企業と純同族企業の並立 (C例)
さらに企業規模が大きくなれば同族会社に固執していたのでは企業の成長発展は難しくなります。こうなれば店頭上場をねらうべきです。親会社は徹底的に同族会社を脱皮して、非同族会社のメリットを追求します。しかし、こうした会社を実現できても相続税対策は別に考えなくてはなりません。上場する前に相続が発生すれば、自社株の相続税評価額が非常に高い会社になるからです。1つの解決法として「純同族」の子会社を持って同族会社のメリットを享受する方法があります。
(3) 企業段階説を唱える理由
同族でいくか非同族を導入するかの選択は、中小企業の経営戦略上非常に重要なことです。いずれの道を選択するにせよ、その時に企業の受けるメリットを徹底的に享受することが必要です。そのためには、現在の経営の状況をしっかり把握して、目指す発展の方向を明確に持つことが必要です。
(4) 純同族企業の長所と短所
①純同族企業の長所
(イ)節税がしやすい
(ロ)一族で企業を支配できる
(ハ)経営者の意思を経営にストレートに反映できる
(ニ)個人財産の蓄積がしやすい
②純同族企業の短所
(イ)企業繁栄に必要な人間力、商品力、資金力の蓄積に限界がくる
(ロ)経営者のワンマン経営になりやすい
(ハ)企業規模の拡大が難しい
(ニ)社員の高い志気を維持することが難しい
(ホ)優秀な後継経営者を確保しにくい
(5) 非同族企業の長所と短所
①非同族企業の長所
(イ)人間力、商品力、資金力の確保を容易にすることが可能
(ロ)経営者の暴走をおさえることができる
(ハ)企業規模の拡大がしやすい
2非同族企業の短所
(イ)経営者の財産の蓄積効率が低下する
(口)自分の子供へ経営者を継承することが難しい
(6) 段階を選択する基準
企業が段階を選択する基準は、その企業の発展段階に準じます。具体的には、会社の規模、社歴、人財の有無等の総合的な評価によります。
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