54.控除前利益の内容

大平経営会計事務所ブログ:わかりやすい大平式利益管理

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(1) 控除前利益とは

内部固定費等を控除する前の金額を意味します。

(2) 変動損益計算書における確認

変動損益計算書における『控除前利益』の位置

(3)控除前利益の内容

控除前利益とは、次の8つを加えたものです。

(1)役員報酬500
(2)減価償却費200
(3)同族関係地代家賃50
(4)その他の固定負債利息50
(5)同族関係保証料50
(6)その他の収益△100
(7)その他の損失50
(8)純利益200
合計(控除前利益)1,000

(4)各項目の内容

①役員報酬
『役員報酬』とは役員の月給です。同族役員の家族は役員登記をしていなくても役員として考えます。したがって、同族役員の家族の給与は、原則として役員報酬の中へ含めて考えます。
②減価償却費
建物、機械、車両、工具器具備品等、1つ又は1組が10万円以上するものは、購入した時に一時に経費にすることが認められず、何年かに分けて経費に算入します。この経費に算入する金額を『減価償却費』といいます。
③同族関係地代家賃
『同族関係地代家賃』とは、役員の個人所有の土地や建物を会社が賃借して、地代や家賃を会社が支払うものをいいます。役員でなくても、同族役員の家族所有のものに対する地代家賃も含めます。
④その他の固定負債利息
『その他の固定負債利息』とは、会社が役員から借入れをしている場合、その借入金に支払った利息をいいます。
⑤同族関係保証料
役員が会社の借入金に対して連帯保証をしている場合、その連帯保証に対して会社が個人に支払った保証料をいいます。
⑥その他の利益
一般の損益計算書で区分されている営業外利益と特別利益をまとめてその他の収益として考えます。
その他の収益とは主として次のような科目です。
受取利息、受取配当金、雑収入、固定資産売却収入、貸倒引当金戻入益など。
⑦その他の損失
『営業外費用』の中で支払利息割引料は外部固定費へ含めるから、支払利息割引料を除いた営業外費用と『特別損失』をまとめて『その他の損失』として考えます。
その他の損失とは主として次のような科目です。
雑損失、固定資産売却原価など。
⑧当期利益
損益計算書に表示される一般的には『税引前当期純利益』といわれるものです。

(5) 控除前利益の必要最低限度

控除前利益額は、原則として金額が大きいほど良好であることはいうまでもありません。 最低でも経営者家族の生活費以上が必要です。

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