58.控除前利益の計画

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(1) 控除前利益の計画とは

内部固定費控除前利益は次のものを合計したものです。

①役員報酬
②減価償却費
③同族関係地代家賃
④その他の固定負債利息
⑤同族関係保証料
⑥その他の収益
⑦その他の損失
⑧税引前利益
控除前利益の計画はこれらの内部固定費を、それぞれどれだけにするか計画することをいいます。

(2) 控除前利益の目標金額

控除前利益は原則として、金額が大きい程良好であることはいうまでもありません。
目標控除前利益額の設定は、一般的には前年度の実績を基準にして今年度の事情を考慮し、戦略を加味して決定します。

(3) 税引前利益の目標金額

①控除前利益の1つの項目である税引前利益は、次のようなことを検討して目標金額を定めます。
(イ)金融機関からの信用力を高める
(ロ)業者登録等に必要な利益を検討する
(ハ)一般債権者からの信用力を高める
②条件が満たされれば原則として節税戦略によって税引前利益を決定します。
第1に、控除前利益の総額から減価償却費と、その他の収益及びその他の損失を控除します。 第2に、残額については個人の税負担率と会社の税負担率とを比較して、個人の税負担率が会社の税負担率よりも低いうちは、原則として役員報酬等を増額して会社の純利益額を圧縮する方法を選択します。

(4)第1段階の検討

①減価償却費の予測
減価償却費の予測は、原則として、前年より所有する資産の当年度償却費を計算し、これに新規に取得する予定の償却資産の償却費を加え、期中に除却する予定資産の償却費を控除する方法によります。
②その他の収益及びその他の損失の予測
その他の収益及びその他の損失は、原則として、前年度の実績額をそのまま今期の予算額とします。

(5)第2段階の検討

①共通事項
役員報酬、同族関係地代家賃、その他の固定負債利息、同族関係保証金は、会社の費用であると同時に同族関係者の個人所得となるものです。
これらの費用を増加して会社の利益を減少させ、個人所得を増やした方がよいか、逆に個人所得を減らして会社の利益を増加させた方が良いかの選択基準は、税金がどうなるかです。
基本的には会社の税負担率と個人の税負担率を比べて、税負担率の低い方へ所得(利益)をつけることです。
②役員報酬の検討
役員報酬は『給与所得』という個人の所得になります。
会社で支払った金額がそのまま所得になるのではなく「給与所得控除」という必要経費を差し引いた残額が所得となり最も有利です。
③同族関係地代家賃の検討
地代家賃は『不動産所得』という個人の所得になります。
収入金額から必要経費を控除した残額が所得となります。
地代家賃の金額は、高すぎない範囲内であれば、会社の業績によってある程度は増減することができます。
④その他の固定負債利息の検討
役員借入金に対する利息は、『雑所得』という個人の所得になります。
年利「4%+公定歩合」までは、利息を計上するか否かは全く会社側の任意です。
会社に利益が出て利息を計上した方が有利な場合は計上し、 計上しない方が良い場合は計上しないようにすれば良いのです。
⑤同族関係保証金
会社の借入金に対して個人が連帯保証をしている場合には、保証金の支払いが認められます。信用保証協会の保証料率に準じて年間1%以内であれば、支払っても支払わなくても任意です。保証料を受け取った人は『雑所得』という個人の所得になります。
⑥税引前利益
中小同族企業における純利益額は、節税対策を盛り込んで企業の目標金額としてつくり出すものです。
純利益額は単純に大きければよいというものではありません。 節税対策をおろそかにして計上した利益は、計上できたこと自体が良いかどうかは疑問です。
節税対策を十分に実践した後の純利益額は、大きいほど良好です。

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