流動性の改善には次の2つの要点があります。
1貸借対照表の右側(資金の調達)によって流動性が改善します。具体的には借入金、支払手形などで負債を増やします。次に増資、留保利益の確保等で、自己資本を増やす方法があります。
2貸借対照表の左側(資金の運用方法)を考えましょう。調達した資金をどのように運用するかということです。預金として持つか、あるいは土地、建物、機械などを購入すること等です。
流動負債を圧縮する方法として、支払手形を減らす方法、買掛金・未払費用・未払金をためない方法、短期借入金を長期借入金に借り換える方法が挙げられます。また定期預金など資金のバランスを保つために一定額の預金を持つ必要性を理解しなければなりません。
中小企業の長所を生かし、戦略的に改善していく要点として役員借入金(その他の固定負債)を資本に準ずるものとみなして、自己資本を考える『修正自己資本比率』という指標を使います。役員からの借入金をいかに増やすかはポイントの一つです。
「中小同族企業では、会社と同族経営者は一体である」という基本的な考え方で、法人の資金管理と個人の資資金管理を併せて考えることがこれにあたります。合併した貸借対照表の合併正味財産(資本の部)がどれだけ大きいかが、企業の継続にとって大きな意味を持つことを忘れてはいけません。
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