
(1)在庫の評価減による節税
『在庫』とは商品、製品、仕掛品、原材料、貯蔵品等をいいます。在庫は 『棚卸資産』とも呼ばれます。
「在庫の評価減」とは決算時に何らかの方法によって、これらの在庫の評価を合法的に下げることを意味します。
(2) 在庫の評価方法
在庫は同一物であってもその評価によって在庫金額が異なってきます。税法で認められている在庫の評価方法は次のようです。
①原価法
『原価法』とは仕入原価で評価する方法です。原価法の中にも次のような方法があります。
(イ) 個別法
(ロ) 平均法
(ハ) 先入先出法
(二) 後入先出法
(ホ) 最終仕入原価法
(へ) 売価還元法
②低価法
『低価法』とは実際の取得原価と時価とを比較して、どちらか低いほうの価格を採用する方法をいいます。
(3) 評価方法の選択
①税法では税務署に届出をすれば、どの評価方法でも任意に選択できるようになっていますが、届出をしない場合には『最終仕入原価法』によって評価することに決められています。
②価格変動の大きい棚卸資産の場合には「低価法』を選択することも有意義なことです。
③実務的な面から最も良いと思われる評価方法は、「最終仕入原価法による低価法」を選択することです。
この場合には、「低価法を選択する旨」の届出書を税務署に提出することが必要です。
(4) 最終仕入原価法の活用
同一種類の棚卸資産については、 決算時に仕入原価の異なる在庫があっても、その単価は決算時に最も近い仕入原価によって評価する方法を『最終仕入原価法」と呼びます。
この評価方法を活用して節税する方法は、在庫の多い棚卸資産を決算期末に安い単価で仕入れをすることです。
(5)不良在庫の評価減
「不良在庫」とは変色、変質、陳腐化等によって棚卸資産本来の機能を失ったものをいいます。
不良在庫の評価額をいくらにするかは難しいことですが、原則として販売予想価額で評価することができます。100円で仕入れたものでも、販売予想価額が1円であれば1円で評価することになります。
不良在庫は別用紙に拾い上げて、不良在庫の内訳と総額を把握しておくことが必要です。
(6) 在庫評価減の経営的効果
在庫の評価減による効果は次のようです。
①節税ができる
②節税による資金余裕が得られる
③不良在庫の発生を少なくすることができる
④利益の平準化を図ることができる
⑤健全な貸借対照表が得られる
(7) 留意点
気を付けなければならないことは、在庫のゴマかしによる脱税をしないことです。
脱税のメリットよりも不良在庫の発生によるデメリットの方がはるかに大きくなりやすいからです。
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